肉奴隷であれば、陰部へのピアスはもとより、刺青(タトゥー)をされても、それを甘んじて受け入れなくてはならない。「O嬢の物語」の舞台だった頃のフランスならともかく、現代の日本で焼印まで施すということはないだろうが。

 しかし、ご主人様・女王様と法律上の伴侶・恋人が別である場合は、これらをされることは結婚や交際の破局を意味する。セックスレスの夫婦であれば、当分は気づかれずに済むかも知れないが、大きなリスクを抱え込むことになるのは間違いない。

 そのため、主がこれを望んだ場合、離婚なり恋人との別れなりを覚悟しなくてはならない。一生仕えると誓った以上、奴隷の側に拒むという選択肢はありえない。

 主の側にとっては、奴隷の体に刺青を入れるということは、その一生を引き受けるという姿勢の現れである。ただ、中にはその甲斐性もなしに、所有欲だけで消えない印を刻もうとするサディストもいる。

 主はよくよく選んだ上で仕えなくてはならないが、SMの実行によって人格が変容することは非常によく見られる現象である。その意味から、奴隷にとって「安全な主従関係」はありえないといえる。