主が望むならば、一生奴隷の身分を解かれることはない。まあ、現実には「やめたい」と言えば、奴隷誓約書の類に拘束力がないのは、前にも書いたとおり。

 だが、実際にはMの側が主に様々な弱みを握られていることが多く、相手によっては簡単には別れられない。これは主従というよりも、人間対人間のしがらみの問題なのだが。

 配偶者=ご主人様でない人妻肉奴隷の場合、大きな負担を覚悟しなくてはならない。一時的なアバンチュールならともかく、生涯奴隷として仕えるのは現実的ではない。時間的にも、精神的にも。

 配偶者がご主人様・女王様であるような、いわゆるSM結婚なら、その種の葛藤は少ないだろう。しかし、、年とともに責めがエスカレートする可能性も高く、タトゥーやアナル拡張など、不可逆的な肉体改造などが施されるケースも見られ、離婚後に大きな傷跡を残す危険がある。

 いずれの場合にも、自分の「一生」を捧げ尽くす覚悟なくして、「奴隷にしてください」などと言うべきではないということだろう。